老人性うつとは、65歳以上の高齢者に見られるうつ症状のことです。発症すると、物事に対しての関心や取り組み意欲が失せ、何もやる気が起きない状態が一日中続いてしまいます。
うつ病は年齢関係なく誰でも発症する可能性がある病気ですが、高齢者はうつ病を発症しやすいと言われています。家族や友人との別れ、社会との孤立、身体の衰えや病気に対する将来の不安など、高齢者はストレスと直面する機会が多い分、うつ病も発症しやすくなってしまうのです。
では、老人性うつを発症しないためにはどうすればいいのでしょうか。うつ病を予防するためには、悲観すべきことがあってもできるだけ前向きに捉えるということも大切です。新しいことにチャレンジしたり、誰かと会話したりすることで、前向きに捉えたり、笑ったりする場面も増えてくるのでうつ病対策になります。
神経伝達物質であるセロトニンが不足すると、イライラ、慢性的ストレスや疲労、作業への意欲低下を招き、気分障害や精神疾患を発症しやすくなります。運動をすると、セロトニンの分泌を促すことができるので、うつ病対策には運動が効果的です。
もし老人性うつを発症してしまった時は、接し方を意識する必要があるでしょう。壊れてしまった心に「頑張れ」は逆効果です。辛い気持ちに寄りそい、共感することで、相手の心も軽くなっていきます。接し方の詳細は【高齢者のメンタルケア~老人性うつを知る~】をご参考ください。
介護士が老人性うつに対するしっかりとした正しい知識を身につけることで、高齢者の異変に素早く気づくことができます。そして相手の心を救ってあげるきっかけを作ることもできるはずです。